不安神経症やパニックで涙が出やすい、止まらなくなる理由とは。どう対処すれば良い?

不安神経症やパニック症状に悩まされているときには、涙もろくなったり、突然泣き出してしまうことがあります。

涙はもともと人の生体機能の一つで必要なものですが、精神を病んだことが原因となって出る「涙」には注意が必要です。

また、涙の出方によって自分の精神状態を推し量ることもできますから、「最近ストレスが多い」と感じている人は涙が出やすくなる理由についても知っておくと良いでしょう。

ここでは、不安神経症やパニックが原因で涙が出るメカニズムや対処法について解説します。



不安神経症やパニック時に涙が止まらなくなる原因

不安神経症やパニック時に涙が止まらなくなることがありますが、本人はその原因が思い当たらないこともあるようです。

一般的な「悲しいとき」「感動したとき」といったシチュエーションでもないのに流れてくる涙の原因は、脳の働きと密接な関係があると考えられます。

具体的な症状やシチュエーションについては以下のようなものが考えられます。

パニックの不安感や恐怖感で涙が出る

「涙」には、ストレスなどのマイナス要素によって脳が損傷してしまうことを防ぐ働きがあります。

悲しいときに泣くと、どこかリラックスしたり気分が大きく切り替わることを思い出してもらえば理解できるのではないでしょうか。

「パニック」における不安感は非常に強いストレスであり、思考が大きく混乱しています。

それ以上の状態が維持されてしまうと、脳の大切な部分がクラッシュしてしまうため、それを防ぐために体が防御反応を起こしていることの表れだと言えるでしょう。

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過去の元気だった自分や辛かった過去を思い出して涙が出る

「涙」は”うれしいとき”、”悲しいとき”と、まったく正反対の状態で起きる少し不思議な生理現象でもあります。

これは脳の「前頭前野」という部分が強く刺激されていることが大きな原因だと言われています。
前頭前野は、非常に高度な脳の部位であり、動物界では人間が圧倒的に進化しています。

創造性や共感性など、高い知的作業に使われるハイレベルな機能は人がその他の動物と区別できる大きな要素だといえます。
動物は脳が下等になるほど、現在目の前に起きていることだけを判断して生活しています。

しかし人間は「過去の元気だった自分」や「辛かった過去」を思い出すことで、前頭前野が強く働いて思い出し、涙が出ることもあるのです。

悲しみや情けない気持ちなど、爬虫類や魚類など感情を持たない動物ではこういった脳の動きは見られません。

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心が弱っている

不安神経症や頻繁に起きるパニックなどは、強いストレスを呼び込むために、徐々に「心のエネルギー」を削ぎ落としていきます。

大きな難問や事故・事件などは「突発的マイナス要素」だとすれば、長期的な不安神経症は「慢性的マイナス要素」です。

慢性的なストレスがかかり続けると脳と心は疲労します。

前頭前野の機能が低下していくと、日々の生活で起きるさまざまな小さな問題までも処理できなくなることで、負担を感じ涙が出やすくなるのです。

理由もなくなぜか涙が止まらないこともある

「理由もなく涙が出る」といった症状は、不安神経症やパニックからうつ病へと進行している危険性があるので注意が必要です。

このレベルにまで精神状態が悪化すると、脳の働きを自分の意思に乖離が生まれ、コントロールできない状態になっています。

ふとしたときに何も原因がないのに涙が出るのは、あきらかに”異常な状態”であり、脳の知的能力が格段に低下しています。

涙が出やすいシチュエーションとは

不安神経症や頻繁にパニックを起こしている人は、自律神経や脳機能が本来の健康を失った状態で、「涙が出やすい」といった症状もそのためです。

こういった人は、健康な人ならばなんでもないような”小さなストレス”が大きな重荷になります。

涙が出るシチュエーションもまた、小さなストレスがかかったときに起こりやすくなると考えられるでしょう。

〈不安神経症の人が涙が出やすいシチュエーション〉

  • 否定されたとき
  • 急かされたとき
  • ミスをしてしまったとき
  • 怒られたとき
  • 不安が予想通りになったとき

こういったシチュエーションは、どんな人でもしょっちゅう経験する「不快感をともなう場面」ですが、ほとんどの人はこれで泣いたりすることはないはずです。

しかし不安神経症になり、脳と前頭前野の働きが鈍くなると、小さな負担でさえ涙を流すほどの一大事となってしまうのです。

不安神経症やパニックで涙が止まらなくなったときの対処法とメリットデメリット

不安神経症やパニックになり、涙が止まらなくなったとき、社会生活に大きな支障があります。

子供や学生の頃ならば許されるかもしれませんが、大人が嬉しいときや感動の場面以外で涙を流すことは不都合です。

以下に涙が流れたときの対処法と、それぞれのメリット・デメリットを解説しています。

精神安定剤を飲む

気分の波が激しく乱高下したり、思考が混乱したとき、精神科で「精神安定剤」を処方します。

病院で処方される精神安定剤は、脳中枢に直接作用して短時間で不安を取り除いたり冷静な状態を取り戻してくれる効果があるのです。
精神安定剤のメリットは、その「即効性」と「確実性」にあります。

しかしその反面、病院で処方される精神安定剤や睡眠導入剤には「副作用」の心配が捨てきれません。

それに加えて依存性もありますので、使い方を誤れば薬を飲む前よりも症状が悪化してしまったり、なかなか断薬できないというようなことも少なくありません。

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気持ちを切り替えるグッズを使う

不安神経症やパニックが慢性化している人すべてに泣いてしまう症状が出るわけではありません。

涙が出やすいかどうかは、個人差があり、また精神の状態の微妙な差で起きる生理現象です。

涙が出る兆候として、イライラし始めたり、不安が蓄積されていくような状態になったら「気持ちを切り替えるグッズ」を使うことで回避できることがあります。

”気持ちを切り替える”という行為は、ストレスの解消にもつながりますので、精神への負担を大きく減少させることにつながります。

以下のようなものを試してみましょう。

〈気持ちを切り替えるグッズ〉

  • アロマグッズ(デュフューザーやオイルなど)
  • ハーブティー
  • ヒーリング音楽(クラッシク・ピンクノイズ・1/fゆらぎ・バイノーラルビートなど)
  • マッサージグッズ
  • アイマスク(目を冷やす・温めるタイプ)

これらは「癒やしグッズ」ともよばれ、ストレス社会と言われている現在では高い人気があります。

快適な感覚が得られるこれらのグッズは、1回の効果は弱くても長く使い続けることで結果も大きく違ってくるでしょう。

気持ちを切り替えるグッズは即効性も期待でき、デメリットもないおすすめな方法です。

不安神経症におすすめのハーブティーハーブティーで朝の倦怠感と夜の不安を同時に解消しよう。おすすめのハーブティーも紹介します。

腹式呼吸で副交感神経を優位にする(呼吸に意識を向ける)

不安神経症の症状が出ているときやパニックを起こしているときなときなどは「自律神経」が興奮をともなう”交感神経型”に偏っています。

涙があふれてしまうときも、悲しみや混乱・焦燥感がいっぱいのときの涙は過度に交感神経が活性化されているのです。

この状態から冷静さを取り戻したいときには、交感神経とは反対の”副交感神経”を優位にしてやることがポイントとなります。

なかなか自分でコントロールしにくい自律神経のバランスですが、「呼吸を意識して変えること」で抑制することができるのです。

交感神経に偏った自律神経を副交感神経優位にする呼吸法では「腹式呼吸」が有名です。

「腹式呼吸」は身体パフォーマンスを向上させることでも知られていて、多くのスポーツや声楽などでもトレーニングをしますが、マスターするには少しコツが必要です。

「お腹で呼吸をする」と言われてもピンとこないなら、次のような方法で”空気を溜める場所”を知ることからはじめましょう。

〈腹式呼吸の空気を溜める場所を知る方法〉

  1. 椅子にリラックスした状態で座る
  2. 上半身を前に倒して体を折り曲げる(腕はダランと床に垂らす)
  3. 腹と太ももが密着するまで折り曲げたらそのまま大きく息を吸い込む
  4. 太ももとお腹が空気で圧迫された部分が空気を溜める場所

この方法で、腹式呼吸の「腹」が分かれば、今度は両手でその場所を抑えながら深呼吸を繰り返します。(※慣れてくれば手のサポートがなくても下腹部で息をすることができるようになります)

腹式呼吸がスポーツや歌唱などのパフォーマンスを向上させる理由は、力みをとってリラックスし、筋肉や神経に柔軟性を取り戻すことができるからです。

このときの全身のリラックスは脳中枢にもフィードバックし、不安や恐怖・悲しみや焦燥感などのストレスを打ち消してくれるのです。

腹式呼吸はマスターしたり継続するのに多少の努力が必要というデメリットがありますが、覚えてしまうとコストもかからず全身の健康を促進することにもつながるので、メリットの多い涙の対処法といえます。



以上、「不安神経症やパニックで涙が出やすい、止まらなくなる理由とは。どう対処すれば良い?」でした。

うつ病の諸症状にはっきりと「涙が出やすくなる」ということが明記されています。

不安神経症やパニックが慢性化している人ならば、「涙」はある意味重症化のボーダーラインとなりますので、警戒心を持つことが必要です。

〈まとめ〉

  • パニック時には強い恐怖感や不安感が起こり涙が出やすくなる
  • 過去を思い出すことで悲しみや情けなさを感じると涙が出やすくなる
  • 症状が慢性化して心が弱ると涙が出やすい状態になる
  • 脳機能が低下していくと理由がなくても涙もろくなる
  • 精神安定剤には即効性というメリットもあるが副作用のデメリットもある
  • 気持ちの切り替えグッズは安全な涙の対処法
  • 腹式呼吸は涙の対処法だけではなく全身の健康法としてのメリットもある


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