自分で対処できないトラウマがあるなら、専門家やカウンセラーに診てもらおう

不安神経症患者の心の中には、自分ではどうしようもないほど根の深い原因が隠れていることもあります。

たとえば、思春期以降の事故や事件によって作られた「トラウマ」などは、ある程度さかのぼって自分で検証することもできますが、幼少期に出来上がってしまったものでは手も足もでません。

また、大人になってからの事件が原因であっても、あまりに心の傷が深い場合には、心身に影響を与えているにもかかわらず「意識の上では忘れてしまっている」こともあります。

このように「無意識」の中に病気を招く火種がくすぶっていることがあります。

自分で対処できないようなトラウマがあるならば、専門家やカウンセラーに診てもらう覚悟も必要です。

深層心理学から生まれたさまざまな心理療法

心理学者フロイトが精神分析学を確立して以降、精神病研究は盛んに行われ進歩しています。

フロイトは、「人の情動は”本人が意識できない深層心理”が大きく作用している」ということを発見しました。

フロイトが用いた「無意識に眠っている感情をさらけ出す」治療法は、非常に難しく危険もともないますので、現在ではほとんど行われなくなっています。

それに変わって効果を上げている心理療法には「認知行動療法」「森田療法」「暴露法」などがあります。

そして、それぞれに専門家やカウンセラーが存在します。

森田療法の歴史は古く、日本で開発されたものです。

「心の捉え方」を根本的に変え「あるがままの自分を受け入れる」というもので、心と生活習慣のすべて変化させるプログラムを行いますが、カウンセラーにも深い知識が求められるために、どこの病院でも受けられるものではありません。

これに変わって現在の精神治療法の主軸となるのが「認知行動療法」や「暴露法(エクスポージャー)」です。

関連する本を読むことで症状の克服につながるケースも多いようです。

不安神経症の克服に役立つおすすめ本3選

心の偏りを正す「認知行動療法」

不安神経症の原因が深層心理にあったとしても、それをえぐり出すのではなく、物事に対して起きる感情や連想するものの中に誤りがないか検証していく方法です。

たとえば、会社で上司に挨拶をしたときに返事をしてもらえなかったとします。

このとき、不安神経症の方ならば「私は嫌われているのではないか?」「首にするつもりなのでは?」などと飛躍した思考をしてストレスをつくりだしてしまうのです。

こういった行き過ぎた考えの偏りをカウンセラーとともにひとつひとつ解決していくのです。

それとともに、苦手な人付き合いを克服するために患者数人でディスカッションなどをしたり、共同作業をすることを組み合わせるのが認知行動療法です。

世界的にも有効な手段だという見方が強く、うまく行けばかなり早く社会に復帰できるようになります。

不安神経症の治療時に用いられる『精神療法』とは?

「暴露法(エクスポージャー法)」とはどんなもの?

「暴露法(エクスポージャー法)」は、主にパニック症の方の治療に用いますが、一般の不安神経症にも有効な手段です。

思考の偏りはそのままで、苦手な場所や場面に対して積極的に近づくようにし、「気持ちを慣らしてしまう」方法です。

もちろん、単なる”荒療法”ではなく、様子を見ながら徐々に苦手なことにチャレンジしていくのですが、これも条件が合えば効果の高い方法です。

森田療法をのぞいて、たいていの場合は「薬物療法」と併用して行われます。

これは不安神経症を悪化させる睡眠障害や、どうすることもできない発作的症状を緩和させて心身ともにストレスに打ち勝つ力をつけるためです。

【この記事のまとめポイント】

  • 自分で解決できない不安神経症では、専門家やカウンセラーに診てもらう方法もある
  • 「認知行動療法」「森田療法」「暴露法」などが有名
  • 病院での心理療法では薬物と併用されることが多い


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